MagicEngineで、CD-ROM^2のゲームディスクをマウントしても読み込めない現象について

2022年2月16日game

はじめに

PCエンジン(PC Engine)CD-ROM^2のゲームディスクを読み込むためにはSCSI規格のCD-ROMドライブでなければならないという機器仕様がある。
PCエンジンのエミュ「MagicEngine」もそれに則っており、仮想ドライブにゲームディスクをマウントしてからエミュを起動する場合は仮想ドライブの設定がSCSIでなければ読み込んでくれない。

Daemon Tools Liteで追加できる仮想ドライブは「DT」「SCSI」「IDE」の3種類ある。
しかし、Windows 10のアップデートにより「SCSI」「IDE」の仮想ドライブを可能とするSPTDドライバというモノが過去の遺物として捨てられてしまった。
詳細については以下のURLを参照のこと。

つまり、SCSI仮想ドライブが使えなくなり、MagicEngineでCD-ROM^2が読み込めなくなってしまったのだ。
Daemon Tools標準のDT仮想ドライブでCD-ROM^2をマウントしても、SCSIではないということで、MagicEngineでは認識してくれない。

  • CD-ROM^2ゲームディスクをDT仮想ドライブにマウント後、
    MagicEngineで「CD起動」を選択したが「No CD」と表示されており読み込めない

このWindows 10アップデート以降、Daemon Toolsを起動してSCSI仮想ドライブを追加しようとする時「SCSI」という選択肢がそもそも無かったり、「SCSI」が選べる場合でも「Windowsのセキュリティパッチを無効化させれば追加できるけど?」みたいな恐ろしいメッセージが表示されてしまう。
「インストール」を選択すればSCSI仮想ドライブが可能となる、が…
無効化すると言葉通りセキュリティ面が低下するということなので、SCSI仮想ドライブは追加しないようにしよう。
ここで「インストール」を選択した場合、Daemon Toolsをアンインストールしてもセキュリティは無効化されたままな点に注意。

上記URL記事の「this file」というリンクより取得できる「turnonsptd.reg」がそのWindowsのセキュリティを一部無効化させるパッチである。
レジストリを2行追加させる内容となっている。
セキュリティを再度有効化したい場合は、「HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Session Manager\Memory Management」に追加される「FeatureSettingsOverride」と「FeatureSettingsOverrideMask」の行を削除してPCを再起動すれば良い。
その場合はSCSI仮想ドライブが再び使用不可となる。

  • 「this file(turnonsptd.reg)」の中身
  • 
    Windows Registry Editor Version 5.00
    
    [HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Session Manager\Memory Management]
    "FeatureSettingsOverride"=dword:00020000
    "FeatureSettingsOverrideMask"=dword:00020000
    

MagicEngineでCD-ROM^2を読み込む方法について

Daemon Tools

Daemon Toolsの設定は至って普通の設定を行う。

仮想ドライブは「DT」を選択する。

DVD 地域(地域コード・リージョンコード)は日本のコードを示す「2」を選択する。
商用DVDに設定されたリージョンと利用機器のリージョンが合っていない場合、制限されるケースがある。


コード:地域
「1」:バミューダ諸島、カナダ、アメリカ合衆国 およびその保護下にある地域
「2」:中東諸国、西ヨーロッパ、中央ヨーロッパ、エジプト、フランス保護領、グリーンランド、日本、レソト、南アフリカ および スワジランド
「3」:東南アジア、香港、マカオ、韓国 および 台湾
「4」:中央アメリカ、カリブ海諸国、メキシコ、オセアニア、南アメリカ
「5」:アフリカ、旧ソビエト連邦諸国、インド亜大陸、アフガニスタン、モンゴル、北朝鮮
「6」:中国本土
「7」:予備
「8」:航空機および旅客船などの国際領域での利用など

ドライブレターは「Q:」や「Z:」などお好みの値を選択する。

「ドライブを追加する」を選択することで、DT仮想ドライブが追加される。

MagicEngine

この問題の肝心な所なのだが、エミュレータであるMagicEngineを更新すれば解決する。

MagicEngine 公式HPのDownloadページに置いてあるエミュ(ファイル名「me113-demo.zip」「mefx111-demo.zip」)は使わない。

この問題を修正したMagicEngineを使うことで、DTドライブでもCD-ROM^2を読み込めるようになる。

ダウンロードリンクを貼っておく。
解凍するとノートンセキュリティ等が働いて「使用者数の少ない謎の実行ファイル」として検疫されるかも知れないが、ファイル自体に問題は無い。

MagicEngine_修正版
Download

MagicEngine FX_修正版
Download

  • DT仮想ドライブにマウントしたディスクのタイトルがCD起動に表示された
  • 無事にゲームが起動できた

既にMagicEngineで遊ぶ環境がある場合は、zipを解凍するとできる「pce.exe」「pcfx.exe」を現状のモノと置き換えるだけで良い。

MagicEngineは2008年から更新が行われていない。
MagicEngineの管理人に問い合わせてみたところ「現在とても忙しくてエミュの更新等ができない状況だ」とのこと。
5分の使用制限を解くMagicEngine(キーファイル)の販売はいつでも行われているので、購入して応援しよう。